女性器の基礎知識
女性器の形や名称
ほとんどの方は自分と他人の女性器を見比べることがないため、自分の女性器がどのようであるのか、判断する材料がないと思います。
また、自分の状態をクリニックに伝えるのに、部分の名称が分からなくて上手く伝えられないということもあるでしょう。
まずは女性器の基本的内容をご説明いたします。
女性器は体の内部にあって見えない内性器と、体の外部に露出していて見える外性器（＝外陰部）の２つに区分されます。
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内性器（ないせいき）
内性器には膣、子宮、卵管、卵巣が該当します。このうち美容外科で行う婦人科形成が関わるのは膣です。
膣（ちつ）
膣は外陰部の入口から子宮までの間をつなくトンネル状の部分です。
出産前の膣は、膣を引き締める括約筋（かつやくきん）という筋肉が良く働きます。
しかし出産時期の胎児の頭は直径１０ｃｍほどあり、これが膣を通過する際に括約筋が断裂して収縮力が低下するため、
出産後に膣の内径は出産前と比べて広がった状態になります。
外性器（がいせいき＝外陰部 がいいんぶ）
さて、一方の外性器（外陰部）は見える部分なので、婦人科形成に関わりが深い部位です。
大陰唇、小陰唇、クリトリス、クリトリス包皮、尿道口、膣口、処女膜などが該当します。
大陰唇（だいいんしん）
外陰部の一番外側を取り囲む部分です。
皮下脂肪があるためにふっくらとして弾力があり、内部にある小陰唇やクリトリス、 膣、尿道口などを間接的に保護する役割をしています。
皮下脂肪が足りないと膨らみが痩せてしわが寄ったようになり、逆に皮下脂肪が多いと膨らみが強くなり内部を圧迫するようになります。
小陰唇（しょういんしん）
大陰唇の内側にある薄いヒダ状の部分です。クリトリス包皮とつながっています。
クリトリス、尿道口、膣を直接保護する役割をしています。
小陰唇は女性器の中で最も目立つ部分なので、見た目を気にする女性は少なくありません。
妊娠、出産によって大きさや形、色が影響を受けることがありますが、生まれつき大きい、左右差がある、 形がいびつ、色が濃く黒ずんでいる場合も珍しくありません。
副皮（ふくひ）
小陰唇と大陰唇の間にあるヒダ状の皮膚です。全くない人もいますが、クリトリスにかけてヒダがある方や、片方だけにある方もいます。
ヒダの間には汚れがたまりやすいのでニオイや炎症の原因になる場合があります。また見た目が良くない、左右のバランスが悪い、といった外見の悩みにつながるケースがあります。
クリトリス（陰核 いんかく）
ペニスと同様に包皮におおわれており、皮が長すぎて包茎になっていることがあります。
クリトリス包皮（陰核包皮）
クリトリスを覆う皮膚です。小陰唇とつながっています。
普通はクリトリスが包皮の間に少し露出しており、刺激によって完全露出しますが、 包皮が長すぎするとクリトリスが埋もれままになり不感症の原因になったり、不衛生になり炎症を起こしたりする場合があります。
尿道口（にょうどうこう）
おしっこの出口です。
婦人科形成には特に関連はない部位です。
膣口（ちつこう）
膣の出入口です。
膣口の周りには括約筋（かつやくきん）というリング状の筋肉があり、膣を引き締める働きがあります。
処女膜（しょじょまく）
膣口付近を覆う、薄い皮膚の膜です。
処女膜によって膣口は塞がっているわけではなく、指１本が通過する程度の穴が中央にあいているので、結果的に膣口を狭めています。
膣の分泌物（おりもの）や、生理の出血（経血）は処女膜の穴から外に排出されます。
処女膜は薄い皮膚なので、激しい運動やタンポンの使用、性行為などによって伸びたり、破れて出血したりすることがあります。 処女膜が伸びたり破れたりした結果、膣口が広がるので性行為がしやすくなります。
さらに出産で胎児が膣を通過する際には、処女膜は強く引き伸ばされ細かく断裂して、断片と化します。
